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医学評論社が出版する医師国試過去問題・既出問題集。2010年用までは医学評論社が出版する医師国試過去問題集はアプローチシリーズという名称で販売されていたが、2011年用から医学評論社successシリーズに名称変更され内容も刷新された。アプローチに代わって、クエスチョンバンクとライバル関係に当たる国試対策問題集となった。

難易度別の構成

アプローチシリーズからsuccessシリーズに移行するにあたって最も大きな変更点は、これまでの臓器領域別の構成から難易度別の構成になったことである。たとえばアプローチシリーズでは内科外科のメジャーが10〜11冊の科目別構成(消化器内分泌循環器呼吸器…という順序)とされ、その後に小児科産婦人科マイナー系科目が続いていた。これに対してsuccessシリーズでは内科外科小児科産婦人科を難易度別に「Level I Blue」「Level II Yellow」「Level III Red」と分けている。青→黄→赤と進めるに連れて難易度が徐々に上がってゆくという構成である。具体的な難易度は医学評論社が持つ過去の受験生の正答率によって大きく分けられており、概ね正答率80%以上の基本問題が青、正答率60〜80%で合否を分けるKey問題が黄、正答率60%未満の難問(受験生の間でも回答が分かれる、いわゆる「割れ問」)は赤とされている。青は分量が多いためcase1とcase2に分けられており、case1が循環器血液呼吸器内分泌消化器であり、case2が腎泌尿器・神経・感染症膠原病産婦人科小児科などである。黄と赤はひとつのcaseでメジャー全領域がカバーされる。各caseは中でそれぞれ4〜7冊の分冊構成となっているので持ち運びなどに不便はない。

なお、マイナー系科目と公衆衛生に関してはこの難易度別構成の範疇外であり、従来型の科目別構成となっている。caseのカラーとしてはマイナー系科目(8冊構成)は緑色、公衆衛生(1冊構成)と必修問題(2冊構成)は紫色が設定されている。国試対策問題集全般に言えることだが、公衆衛生と必修問題は毎年やや遅れて改定される。

科目別と難易度別ってどっちが使いやすいんでしょうか。今年の国試を受けた受験生の意見も聞いてみたいところです。 -- 2012-04-12 (木) 13:13:37


V指数

内容は過去18年間の過去問から構成されているが、当然最近の問題の比率が高く設定されている。第100回移行の問題に関してはV指数という数値が記載されている。厚生労働省が問題の難易度を判断するための識別指数は「(成績上位1/4の正答率)-(成績下位1/4の正答率)」と求められていたが、これでは問題の難易度や合否における重要性が正確に評価できないと考えた医学評論社は統計学的に点双列相関係数と言われる手法を用いてV指数を設定している。この数値が0.2を超えると成績上位者と成績下位者での正答率が大きく異なり合否を分ける設問と言え、さらに0.3を超えるようになると合否を区別する非常に重要な問題ということになる。このV指数がsuccessシリーズの各問題ごとに記載されているため、学習の参考になる。詳細は医学評論社のWebサイトに掲載されている。


その他

アプローチシリーズの時代から、医学評論社国試対策問題集は領域別・問題カテゴリ別の構成としており、各カテゴリ内では一般問題と臨床問題を分けることなく混ぜて構成している。たとえばクッシング症候群の内分泌動態に関して単に知識を問う一般問題を出題した次に、ある患者の検査値がこのような結果であった時にどのような検査を行うかという臨床問題を配置するというように、関連のある設問はひとつづきに出題されている。一般問題と臨床問題を混ぜる構成が良いかどうかは好みの問題でもあるので、一概に良し悪しは言えないが、この構成を支持する人は少なくない。

総ページ数としては2013年受験用では、青2冊+黄+赤で合計7200ページ、マイナー系を加えると9000ページ程度となる。さらに公衆衛生や必修問題が加わる。年度によっても異なるが、アプローチシリーズの頃に比べて1500〜2000ページ程度の増量となっておりボリュームは充実している。これは主には設問数の増加と言うよりは解説や図表の増加による影響が大きいと思われる。アプローチシリーズでは解説がクエスチョンバンクより丁寧という評価は以前からあったようだが、その伝統は受け継がれているといえるのではないだろうか。

価格に関しては公衆衛生と必修問題2冊まで全て揃えれば年度にもよるが57000〜60000円程度となる。ページ数としては数年前に比べて増加してきているが、価格に関してはシリーズ全部を揃えれば5万円台後半で推移しておりそれほど大きく値段が上がっているわけではないようだ。ただし内科でもそれぞれの領域が青・黄・赤に分かれていることから、購入するときに割高感を覚えるかもしれない。


雑感

これまでの科目別構成で何ら不自由はなかったようにも思われるが、医学評論社がこのような大幅な構成変更を行ったのにはそれなりの意図があったのだろう。青・黄・赤の中でもV指数を用いて問題の重要度を区別するようにしているので、あえて難易度別の構成にする必要があったのだろうか。科目別にして、まず重要問題だけを解きながら1周し、2週目は重要問題のマークがついていない問題も解いてゆくという方法をしていた筆者としては若干疑問が残る。

医学部における勉強は国試対策のみのためにあるわけではないので受験テクニックばかりを磨いても仕方がないのだが、国試合格のためには下位10%に入らないことが重要であるということを考えると、青・黄の学習を済ませた後に正答率60%以下の問題ばかりが掲載された赤に手を出す必要があるのかどうかは判断に迷うところ。赤をやる時間があるなら、その時間を2周目・3周目の青・黄に回してどんどん基礎固めを行うほうが、国試合格への道としてはより堅実であるように思われる。もっともこれは国試合否線上で争うレベルの人に対して言えることであるから、国試合格など余裕綽々で更なるレベルアップを図る人に関してはどんどん難しい問題にもトライしてもらいたい。

サクセスってどうなったの?出版中止? -- 5回生 2014-01-17 (金) 18:45:35

医学評論社に電話しました。サクセスシリーズの今後出版予定はないそうです。 -- 放射線科2014-03-20 (木) 22:11:34


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最終更新:2017-09-10 (日) 12:23:15 (11d)