BLSヘルスケアプロバイダーコースが,『アメリカ心臓協会(AHA)心肺蘇生と救急心血管治療のためのガイドライン2010(2010 American Heart Association Guidelines for Cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Care)』の新しい科学的内容を反映して更新された。BLSヘルスケアプロバイダーコースではビデオを見ながら練習する(Practice-while-watching / PWW)方式を用いてスキルを学ぶという方式を採っており、インストラクターは受講者を見て適宜指導を行う。生命にかかわるいくつかの緊急事態を即座に認識し、質の高い胸骨圧迫と適切な喚気を行い、実際にAEDを迅速に使用できるように受講者を訓練する。このコースでは、成人・小児・乳児の救助法を取り上げている。

BLSヘルスケアプロバイダーマニュアルはAHAガイドラインが2010に更新された後もしばらく日本語版は2005から改定されていない状況であったが、2011年末になってようやく日本語版が発売された。AHAガイドラインは2005から2010になってから、胸骨圧迫の優先度が上がって呼吸確認よりもまず胸骨圧迫というようになったほか、自発呼吸確認のキーフレーズであった「聞いて、見て、感じる」も削除されているものの、2005と変更されていない部分も少なくないため、本書も必然的に2005と同じ内容の項目も少なくない。

BLSヘルスケアプロバイダーマニュアルも2010では受講者用と指導者(インストラクター)用が分けられている。受講者用は72ページと薄い冊子であるが価格は3600円と決して安くはない。そもそもBLSヘルスケアプロバイダーコースを受講すること自体も決して安くはなく、これはAHAに支払うライセンス料金が高いことが影響しているようだ。

一般医療関係者に関してはBLSを学んでおくことはもちろんであるが、さらに二次救命処置に関してはACLSを学ぶことが推奨されている。一方で本家AHAが提供するBLS+ACLSに対して、日本救急医学会などが医師卒後臨床研修の一環としての蘇生トレーニングコース整備が緊要であると考えて医療従事者向けの蘇生のトレーニングコースとしてICLSの普及に力を入れているため、こちらを学ぶのも良い。ICLSは日本救急医学会のみならず日本内科学会なども協力し、大学病院や地域中核病院でも頻繁に受講講習会が行われており(BLSよりも割安である)受講しやすい。内科認定医には救急蘇生講習の受講が受験資格の項目に挙げられておりICLSかACLSを習得しておく必要があるが、BLSでは認定は受けられない。

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タグ:救急、救命処置、BLS、ACLS、ICLS

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最終更新:2012-08-19 (日) 08:32:36 (1771d)

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