原著名、The Washington Manual of Medical Therapeutics。邦訳編集者は和田攻、高久史麿

昭和の後半に医学生を過ごした人たちの研修医時代は内科系臨床テキストといえばワシントンマニュアル(英語版)以外には存在しないという時代もあったようで、その頃にはワシントンマニュアルは聖書のように重んじられていた。そういう点が今でも、特に臨床内科の領域においてワシントンマニュアルが神聖視される事に繋がっているのかもしれない。それはともかく、救急領域から神経・血液疾患におけるまで、また診察・診断学から治療におけるまで、幅広い知識をこれだけコンパクトに収めたのは名著とも言える。

残念なのはサイズがぎりぎりで白衣のポケットに収まらないこと。厚さ3cm、高さ20cmというのは、ポケットに入りそうで入らないギリギリのサイズである。願わくばPDA版、あるいはiphone版などが販売されて欲しいところである(第11版英語版ではPDA版が発売されているようである)。ライバル?的な存在であるMGH内科診療マニュアルにはPDA版がm2plusより発売されている。

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第12版(原著第33版)

http://www.medsi.co.jp/books/products/detail.php?product_id=3203

2011年3月10日発売。ほぼ3年毎に改定される名著、医学・内科学の土台となる考え方や基礎知識を身につける上での必修テキスト的な存在。

第12版からは内部の構成が大きく変わっている。これまでは長文記述形式であったのが今回からは箇条書き方式に改められている。原著(英語版)ではかなり以前の版からこの箇条書き方式に改められており、ここ最近の数版は英語版と日本語版の記述方式の不一致が見られていた(たとえば日英両方の版を買って対訳使用にも、内容が対応していない問題があった)が、今回からは日本語版も英語版に準拠して箇条書きとなり、ほとんど対訳で理解できるようになっている。箇条書き方式への移行を良しとするかどうかは好みの問題ではあるが。

また第12版で大きく追加された記載事項としては、HIV感染症と臓器移植医療に関する章が新規に登場している。両者とも最近になって急速に発展した分野であり、たとえばHIV治療などでは新薬の登場や新しい知見の加わりもあり数年前と標準治療手段も異なってきているので、この領域のアップデートはありがたい。

標準版の他にさまざまな派生版(こちらのリンクを参考に)があるので自分にあったものを選ぶことが出来るようになっている。外科用のワシントン外科マニュアルなるものもある。

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丸ごと読んで概念を知るという目的では良いのですが、リファレンスとして知りたいことを索引から調べようと思った場合の使い勝手は、実際の情報量でイヤーノートにかなり水を開けられてしまっている気がしますね。どちらが優れているとかの問題ではないのでしょうけど。 -- 2012-10-19 (金) 20:22:00

外来編

ワシントンマニュアル外来編のページを参照してください。

初期研修医必携マニュアル

「ワシントン初期研修医必携マニュアル」は研修医が臨床の場に出る前に備えておくべき知識を解説した本。入退院の指示や病棟患者の急変で呼ばれたときの対応、コンサルテーションの上手なやり方など、臨床医学を実践することの基礎を学ぶうえでの簡潔で実際的な情報をまとめた研修医向けのマニュアル、ということになっているが、研修医になった頃にはすでに知っているようなことも少なくない。むしろポリクリ学生が見ていた方が役に立つという印象もある。

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最終更新:2012-10-19 (金) 20:22:29 (1678d)

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