南江堂、2008年。原著はThe Biology of Cancer。

がん研究の進歩をたどりながらがんの生物学が現在どのようにわかっているかを解説した、がんの生物学における最も信頼性の高い教科書の1冊。いわゆる成書がん領域では最も権威ある書籍に挙げられ、大学院の教科書に採用されたり研究機関の書架で見ることも多い。1人の著者、および数人の統一された翻訳者によって訳されているため文章は自然で読みやすく、評価は高い。おどろくべきことに邦訳版は原著から極めて忠実に翻訳されており、原著と翻訳版の挿絵や注釈はもちろん、ページ数に至るまでほぼ一致させてある。このページ数を一致させる作業は極めて大変だったと思われるが、このおかげで学友や研究員同士で本書の輪読会・勉強会などを開く際にそれぞれ原著や邦訳版を持っていても一緒に読み合わせすることができる。

独習で単独で読み進めても、いたるところに図表や解説が配置されているため理解がしやすいようにという配慮に富んでいる。むしろ一般の臨床医や学生ががんの生物学を学ぶにあたって初めて接するテキストとしては最適な一冊でもある。各章の章末には考えさせる設問があるが、これはなかなか難しく内容をいちど通読しただけでは回答できないものもある。

第2版

2013年6月に英語版のみ第2版に改訂された。日本語版が改訂されるのは他の洋書の例を見ると1年以上先になりそうである。さらに、第1版邦訳者である武藤誠氏は京都大学大学院医学研究科の教授職を定年退官されるとのことで、第2版邦訳がどのようになるのかは現時点では不明。

第2版になり追記された主な点は下記のような箇所がある。いずれも年々研究が進んでいるホットな領域ばかりである。

コメント

大学院生の必携書。もちろん大学院の専門分野にもよるでしょうが。 -- 2011-10-09 (日) 03:19:41

名著ですよ、これは! -- 2012-06-17 (日) 08:56:53

タグ:がん腫瘍学分子生物学南江堂成書

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最終更新:2013-07-04 (木) 10:50:42 (1452d)

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