トップページ 検索 一覧 最終更新

ロビンス基礎病理学

病理学の中ではおそらくもっともしっかりした教科書で、ファンも多い。原書はBasicという書名ながら、日本ではこれだけの分量の成書はなく、特に各論編はかなり内容も濃く、各科の専門医が病理診断について調べるのにも有効な 「一生もの」の書籍。

第8版

2011年9月に発売。大幅にページが増えた第7版と比べてさらに100ページほど内容が増えた。例によって日本語版は英語版の2.5倍ほどの値段がするが、内容は日本語の病理学教科書の中でも最も充実した一冊と言える。臨床的な疾患概念などにも詳しく解説がある。


第7版

日本語版第7版は2004年9月に発行された新しいもの。前書き等によると、第6版からの違いは以下の通り。

  • ページ数は大幅増。ただし、記事量が増えたと言うよりは、第6版と第7版を比べてみると判るように、単純にフォント(文字)サイズが大きくなっている。よって読みやすさは向上しているかもしれないが、内容量自体はそれほど変わっていないと思われる。厚く重くなっていることは確か。
  • 白黒写真だったものの一部をカラー写真に差し替え。
  • 一部の項目の記事改訂。分野によっては記事をイチから書き直した箇所もあるらしい。
  • 教科書の基本的なスタンスはこれまでのものと大きくは変わっていない。
  • 表紙や各章タイトルなどは英語版に即してこれまでのものよりカラフル(派手?)になっている。
  • ソフトカバーだった装丁がやや硬質カバーに変更。

書評・レビュー

大学の医学部学生向け教科書で、この本ほど学生からも教官からも評価を得ている本というのは少ないのではないだろうか? 教官が薦めたがる本というのは大抵マニアックで専門的すぎたり、分厚すぎて学生には手に負えないものだったりする。一方で学生に人気のある本は教授側からしてみればペラペラすぎて話にならないというものが少なくない。

そういう意味では、この本は本当に名著なのかもしれない。教官も「病理はロビンス!」と言い、学生も「ロビンスは理解が深まる!」と褒める。

実際に使ってみると、前評判の良さに比べてなんだか読みにくいと感じるかもしれない。洋書の翻訳版はたいてい訳の難しさもあって読みにくいのだが、ロビンスの読みにくさはそこに加えてさらに冗長さがあるものだから、初めはダラダラした文章だなという印象を受ける人が多いそうだ。しかし、各論分野では標準病理学よりもロビンス基礎病理学の人気が高い。

ロビンスだけでは厚みも重さも耐えられないという人は、薄めで内容も抑えめのシンプル病理学かQシリーズ病理各論などを買ってきて、ロビンス+簡単教科書という組み合わせで使ってゆけばよいのではないだろうかと思う。実際に他の科目でも「索引の充実した本格教科書+テスト対策的な簡単教科書」という組み合わせで勉強している人は少なくないと思うけれど、病理学(特に各論)ではその本格教科書のポジションにロビンスが最適なのである(と思う)。

最大の難点は、その価格設定だろうか。生理学の時にガイトンを購入しなかった人にとっては、ロビンスは自分の購入書籍価格の最高記録を更新してしまう一冊になるかもしれない。親が教科書代を出してくれなくて安い本しか買えないという人もいるだろうけれど、それなら薬理で南江堂NEW薬理学を買うのを諦めて安い洋書リッピンコットで済ますかヤフオクやアマゾンの古本を買ってくるなどしてロビンスを買ってみる価値はあると思う。

コメント

英語版の8版ありますよね。アマゾンのレビュー見ると英語版の評価が非常に高いんですけど、実際の医学生に英語版ってどうなんでしょうか。私には使いこなせる自信がありません。 -- お名前 2008-02-20 (水) 22:12:51

医学生がみんな英語できないと決め付けるのはどうかと存じます. -- s 2008-07-09 (水) 18:50:03

医学生がみんな英語できないと決め付けるのはどうかと存じます. -- s 2008-07-09 (水) 18:50:43

医学生全般を考えると洋書をスラスラ読めるってのは数%だけじゃないかな。少なくともうちの大学では洋書を読んでるやつは一人くらいしかいないよ。 -- お名前 2008-07-12 (土) 23:56:05

洋書って・・・と思うようなら素直に標準病理学にするのがいいのでは?と思います。訳本は評価低いし。 -- お名前 2008-07-19 (土) 12:22:37

標準病理学は意外に使っている人が多かったように思います。標準シリーズでは生理学病理学外科学、微生物学あたりは(内容の善し悪しはわかりませんが)ユーザー数は比較的多い印象。 -- T.Goto 2008-08-03 (日) 08:10:57

うちの医学生は普通に和文を読む感じで利用しているようです。 -- たま 2011-07-22 (金) 17:51:42

丸善から第8版の訳本が発売になります。 -- N 2011-09-01 (木) 00:23:10

第8版で、訳が改善されているかどうか・・・気になります -- はんてふ 2011-09-10 (土) 01:44:59


第6版

個人的には、内容は上記のレビューにもあるように非常に充実していると思う。実際に勉強する上での役立ち度(実用性)という面でいうと、医学書院標準病理学より廣川出版ロビンス基礎病理学のほうがよいように思われる。ただし使い勝手の悪いところがあるのも事実。翻訳書の宿命とも言える訳の不自然さはこの本の場合はあまり感じないけれど、統計的なことは米国のデータに基づいていることによる違和感(例。肺癌は日本では腺癌が最多だが欧米では扁平上皮癌が最多なので、本書では堂々と「原発性肺癌では扁平上皮癌が最多」と書いてある)、また表記の問題もある。例を挙げると、「間質性肺炎」は「間質性肺疾患」として掲載されているのはまだ許せるとして、「腎芽腫」という病気は記載されていなくて「Wilms腫瘍」として掲載されている(腎芽腫は小児腎腫瘍では最多なのに、索引にもその語すら載っていない)、「バセドウ病」も「甲状腺機能低下症」と書かれていたり。「腎芽腫」がないのは困ると思います。だから、ロビンス一冊だけというのはやや心許ない。ロビンス基礎病理学シンプル病理学Qシリーズ病理学などと組み合わせての利用なら、ロビンスの情報量の豊富さが非常に強い武器になるだろう。

(※この記事はロビンス基礎病理学第6版に基づいて書かれています。現在店頭で手に入れることの出来る第7版では直っているかも知れません)

英語

Robbins Pathologic Basis of Disease 英語原版
この本はRobbins Basic Pathologyの親本にあたり、逆に言うとRobbins Basic Pathologyはこの本のエッセンシャル版にあたる。邦訳されたのはエッセンシャル版。もともとRobbinsの病理学は学生向けの教科書と言うよりは体系的な病理学シリーズの名前であって、英語ではこの派生の様々なバージョンがでている。


タグ:病理学成書ロビンス


最終更新:2017-09-10 (日) 12:23:12 (92d)