内科学書の教科書の雄。世界中の医学生にとっての最高の一冊と言われている。朝倉内科学文光堂内科学書など他にも内科学の成書は多数あるが、ほかの成書と比べてもハリソン内科学の情報量の多さは圧倒的で、他の追随を許さない。背景の病態生理などに至るまで深い知識を追求している。また情報の新しさにおいても他の内科学の成書を上回っており、新しい治験や論文などの情報を取り込むまでの時期も優れている。

内容の優秀さは文句のつけようがないが、試験対策という意味ではそのあまりにも多い情報量のため使い勝手は今ひとつ。国家試験対策を考える必要がすぐには無い学年であったり、あるいは国試後の研修医が調べ物をしたいときには非常に良い一冊であるほか、研修終了後のベテラン内科医にとってもいざというときに頼りになる一冊である。

米国の教科書であるから所々日本の実情に合わないところがあるのは、ある程度はやむを得ない。たとえば日本は米国ほどにはAIDSが深刻な社会問題化してはいない(近い将来そうなる可能性はあるが)が、ハリソン内科学ではAIDSはかなり重要視され専用のチャプターが設けられている。また薬剤によっては日本で手に入らなかったり、日本では非常にメジャーな病気が米国ではそれほど重きを置かれていなかったり(たとえばウイルス肝炎や麻疹などは日本で多く米国で少ない)することはある。しかし病態生理の理解や内科学を俯瞰するという意味では、日米の医学医療事情の差はそれほど大きな問題にはならないかもしれない。

カバンに入れて持ち歩くことは難しいので、基本的に自宅や医局においておくことになる。海外版は今後Kindleなど電子書籍化され、iPadなどでの持ち運びがしやすくなってゆく見込み。

発売周期、価格

原著第18版は2011年8月に、第18版邦訳版は2013年3月に発売となった。第18版では新たに、加齢医学、退役軍人の精神神経的疾患、発展途上国のプライマリケアなど現代的なテーマの記事も追記され時代に即した内容となっている。
両者ともこの10年以上の改訂パターンはほぼ3年ごとの改定となっており、英語版が発売されてからほぼ1年半後に邦訳版が発売されている。原著は洋書なので為替相場により多少価格が変動するが15000円から20000円程度、邦訳版は32000円程度。

コメント



最終更新:2017-09-10 (日) 12:23:13 (11d)