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がん診療レジデントマニュアル第6版改訂箇所

医学書院がん診療レジデントマニュアルの第5版から第6版へ改定された際に変更された箇所は以下のとおり。

がん診療レジデントマニュアル第6版変更箇所

編集委員

  1. 第5版 勝俣範之、安藤正志、山本昇、濱口哲弥、金成元、向井博文
  2. 第6版 山本昇、森実千種、金成元、濱口哲弥、向井博文、安藤正志

内容の変更

目次・構成の変更

  1. 序文によると第6版は2012年10月までの変更点を追記し、可能な限りコンパクトとすることを目指して編集された。
  2. 消化器がん関連の掲載順序が、頭頸部がん>食道がん>胃がん>大腸がん>肝胆膵がん、の順に改められた(頭頸部が皮膚がんの次だったのが食道がんの前に移動、食道がんが胃がんの次だったのが前に移動)。
  3. 泌尿器・胚細胞腫瘍の章が、泌尿器腫瘍と胚細胞腫瘍に分けられた。
  4. 造血器腫瘍内での順位で悪性リンパ腫が多発性骨髄腫などより前に移動した。
  5. 造血幹細胞移植の章が造血器腫瘍から独立した。
  6. HIV関連腫瘍、転移性骨腫瘍の独立した章がなくなった。
  7. Memoの内容も大幅にアップデートされ、ほとんど項目が新規に設けられたものに置き換えられた。Antibody-drug conjugates、Deepness of response、ランダム化中止デザイン、mTOR阻害剤、IRCI(国際希少がんイニシアチブ)、NBI(内視鏡)、神経内分泌腫瘍、すいがん治療に関する新治療、HPVワクチンの効果、胚細胞腫瘍poor riskに対するdose dense therapy、CLLに対する新規治療薬Ibrutinib、post-transplant cyclophosphamideを用いたHLA半合致血縁者間造血幹細胞移植、抗PD-1抗体、QALY、抗悪性腫瘍薬の適応外使用、comprehensive geriatric assessmentに関する記載が新規追加された。一方で、ドラッグラグと国際共同臨床試験、PET、Oncotype DXとMammaprint、PARP inhibitor、PMDA、L-OHPの蓄積性神経障害対策、BBP、肝炎ウイルス陽性患者における抗がん剤治療、膵がん一次化学療法におけるTS-1、がん対策基本法、免疫療法、再発卵巣がんをCA125上昇のみで治療介してはならない、新規マルチキナーゼ阻害薬pazopanib、CMLに対する新規チロシンキナーゼ阻害薬omacetaxine、MDSに対するDNAメチル化阻害薬、bendamusutine、がん幹細胞、がん医療とSNPs、がん治療ガイドライン、ファーマコジェネティクスとファーマコゲノミクス(第2章に少々記載あり)、インターベンションによる癌性腹膜炎に対する試み、医療用麻薬と海外旅行、吐き気にショウガ、がん治療と妊孕性、がん薬物療法専門医、エアロゾル現象、DNAマイクロアレイ、分子標的薬による皮膚障害、遺伝子治療、医師主導型治験、医薬品情報の記載が削除された。Lynch症候群、補完・代替医療は変更なし。

がん診療とインフォームド・コンセント

  1. コミュニケーションスキルにおけるSPIKESの記載がやや圧縮された。
  2. 「病名告知」(国がんがん告知マニュアル)の記載が削除された。
  3. 「臨床試験におけるインフォームド・コンセント」において、説明事項内容の記載が削除された。

がん薬物療法の基本概念

  1. 薬剤の種類と作用機序の概略」で「殺細胞薬と分子標的薬剤の比較」の図表などが削除された代わりに、「主な抗悪性腫瘍薬の作用部位」としてEGFR・HER2・RASなどの細胞内の位置関係などを示す見開きの大型の図を新規掲載した。
  2. 「分子標的薬」の「低分子化合物」例にゲフィチニブ・エルロチニブ・ソラフェニブ・スニチニブに加えてラパチニブを追記。「大分子化合物」例にトラスツズマブ・リツキシマブ・セツキシマブ・ベバシズマブに加えてパニツムマブを追記。
  3. 「分子標的薬」の分類に「ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤とDNAメチル化阻害剤」、「プロテアソーム阻害剤」を新設した。
    1. 前者の記載中にてエピジェネティクスについて解説し、その例としてHDAC阻害薬は皮膚T細胞リンパ腫に対するボリノスタットを記載した。
    2. DNAメチル化阻害薬はMDSに対するAZAを挙げている。後者の例としてNF-kB活性を抑制するプロテアソーム阻害薬のBORを挙げている。
  4. がん細胞の増殖モデル」(Norton-Simon仮説やGoldie-Coldman仮説など)の記載は変更なし。
  5. 薬剤耐性」の記載は「抗体薬に対する耐性」の項目が新設された。
    1. トラスツズマブのHER2受容体結合障害、HER2の下流シグナル伝達(PTEN、PI3K)の活性化、別の経路を利用したシグナル伝達の活性化、免疫応答の減弱を挙げている。
    2. チロシンキナーゼ阻害剤において、ゲフィチニブ・エルロチニブに対するEGFRコドン790アミノ酸置換(T790M)やMET遺伝子増幅の機序があること、イマチニブに対してはbcr-abl依存性と非依存性の耐性があることに関しては、特に変更なし。
  6. がん薬物療法の適応」は特に変更なし。
  7. 「薬物動態学・薬理遺伝学」の記載において、薬理遺伝学が応用される解析例にUGT1A1と関係あるCPT-11とCDAと関係あるGEMが記載されていたが、GEMは削除されCPT-11のみになった。
  8. がん薬物療法の注意点」中の「臓器障害時の薬物療法」において、「腎機能障害時・肝機能障害時の投与量修正の例」の表が削除された。また「心機能障害時」のアンスラサイクリン系抗がん剤のADMへの換算係数(DNR 0.5、Epi 0.5、IDR 2、MIT 2.2)が削除された。
  9. がん薬物療法の注意点」中の「肥満患者」において、第5版では「(体表面積に基づいた算出では)高度肥満患者では過剰投与になる恐れがあり、標準体重に基づいて計算することがある」と記載されていたものが一転して第6版では「肥満患者において有害事象増加の明らかなエビデンスはないが、骨髄抑制は非肥満患者と比べほぼ同じか軽度と報告されている」と記載されている。ちなみにこの箇所に関する根拠となる参考文献は挙げられてはいない。
  10. がん薬物療法の注意点」内に約2ページにわたって、「HBV合併における化学療法」の記載が新設された。HBV再活性化に関する注意を喚起し、免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン(改訂版)に関する概説を行っている。
  11. がん薬物療法の注意点」中の高齢者の記載は特に変更なし。
  12. がん薬物療法の注意点」中の妊娠中の記載が詳しくなった。
    1. 妊娠中の乳がんに対するレジメンにCAF療法に加えてAC療法を追記。TAMとトラスツズマブが禁忌であることを追記。
    2. 妊娠中の白血病に対する化学療法を新規に記載し、VCR・DNR・Ara-C・ATRAを挙げた。
    3. 悪性リンパ腫と卵巣がんは特に変更なし。
  13. 「治療関連2次がん」において原因薬剤にアルキル化薬、ETP、白金製剤に加えてTAMを追記した。
  14. がん薬物療法の効果判定基準」内の「RECIST」において、その基準内容自体に関する記載は特に変更が無いが、その扱い方について「(RECISTは臨床試験での奏効割合や無増悪生存期間を算出するための規準となるが)主治医が適切であると判断する場合をのぞいて、個々の患者における治療継続の是非についての意思決定に用いられることを意図していない。臨床試験においても、日常診療においてもPD=治療中止と考えるべきではない。治療継続の是非は臨床的に決定し、PDはあくまでも目安」という内容が新規に記載された。

臨床試験

  1. 「エビデンスレベルと臨床試験」の中に「臨床試験に参加した患者は一般患者から無作為抽出で選ばれたわけではなく、必ずしも外的妥当性は保証されない」「メタアナリシスは正しく行われた質の高いものであるかどうかを厳密に吟味する必要がある」と記載することで、臨床試験結果を一般化することに対する注意喚起を新たに記載した。
  2. 「臨床試験の統計」の記載が「臨床試験における統計と用語の解説」と名前を改められ、臨床試験の章内でも後ろから前の方へ移動した。「統計学的なエラーと検出力」「有意水準αとp値」「ハザード比」「生存期間解析」などは大きな変更はないが「片側仮説と両側仮説」などが新規に記載された。
  3. 「第I相試験」は「創薬の効率化のためのバイオマーカー解析」が行われることがあることに言及したほかは、特に変更なし。
  4. 「第II相試験」では「2段階デザイン」が「単群第II相試験」に改められ、記載が若干詳しくなった。
  5. 「第III相試験」では「エンドポイント」に関して、「がん分野における第III相試験は患者のベネフィットを直接反映する指標(真のエンドポイント)とすべきであり、がん分野における第III相試験においては全生存期間が用いられることが多い」「奏効割合、無病生存期間、増悪までの期間などは代替エンドポイントと呼ばれ、こういったエンドポイントを第III相試験のプライマリーエンドポイントに使う条件として、OSの代替エンドポイントとなり得ること(surrogacy)が統計学的に証明されていることが必要」と記載されている。
  6. 「第III相試験」の中で米国FDAガイダンスにまとめられた各エンドポイントの比較の表が記載された(p.40)。
  7. 「第III相試験」の中で「サンプルサイズ計算」の記載が新規に設けられた。
  8. 「第III相試験」の「ランダム化」の中で記載されていた、ランダム化の代わりにヒストリカル・コントロールやコンカレント・コントロールを用いることの問題点が省略された。
  9. 「第III相試験」の「結果の解析」の中に、ITT解析・中間解析の記載の間に「層別解析」の記載が新たに設けられた。
  10. ランダム化試験に対する国際的なガイドラインである「CONSORT」に関する記載が設けられた。
  11. がん分野における医療イノベーション」として日本の医薬品輸入超過額の問題や日本で発見されたシーズ(HER2、PARP、C-kit、ALK、PD-1)の実用化が欧米に先を越される事例が相次いでいることについての記載が設けられた。

肺癌・胸膜中皮腫

  1. 「疫学」では女性がん死亡数では2006年は胃癌についで2位だったのが2007年に1位となった。男性はかわらず1位。
  2. 「診断」の「検診」で、胸部X線を用いた年次検診が肺がん死亡率を低下させないという報告(JAMA 2011)と、55歳以上の喫煙者(高リスク群)に対して、低線量CTが胸部X線写真のみの対照群に対して死亡率低下したという報告(NEJM 2011)が記載された。
  3. 「診断」の「検体検査:遺伝子診断」において、ALK遺伝子転座に対する2次治療以降のクリゾチニブの有用性について記載。
  4. EGFR・KRAS遺伝子変異検査とALK遺伝子転座に対する免疫染色検査・FISH法に保険適用されることを記載。
  5. 「病期分類」「予後因子」は特に変更なし。
  6. 肺小細胞癌LD症例に対する1日2回分割照射について、これまで使っていなかった「加速過分割照射」という語を用いるようになった(p.52)。
  7. 肺小細胞癌の再発再燃症例に対して、「再発再燃までの期間が長い場合」は初回治療と同じ化学療法を行いえることに関して、その閾値が6ヶ月から90日に短縮された。
  8. 「予防的全能照射(PCI)」に関して、CR例はLD・EDを問わずPCIを行うと記載された。
  9. 非小細胞肺癌の術後補助化学療法について、CDDP+VNRのサブ解析結果(JTO 2010)に言及された。なおCDDP+VNRレジメン自体は第5版にも記載あり。
  10. 非小細胞肺癌4期の化学療法
    1. TC療法・GP療法・NP療法・DC療法・IP療法という略語の使用をやめて、CBDCA+PTX、CDDP+GEM、CDDP+VNR、CDDP+DTX、CDDP+CPT-11療法と呼ぶようになった。
    2. CDDP+PEMが「非扁平上皮癌」と目立つ位置に明記されるようになった(第5版でもJCO 2008のサブ解析で非扁平上皮癌と扁平上皮癌でのCDDP+PEMとCDDP+GEMの違いに少し言及しているが)(p.57)。
    3. 新たにCBDCA+S-1(JCO 2010)、CDDP+S-1(ASCO 2012)、CBDCA+GEMのレジメンが記載された。
  11. ゲフィチニブに関しては第6版でも、EGFR変異陽性例に対する一次治療としてOSの優越性は示されておらず、EGFR-TKIの最適な投与時期についての結論は出ていない、とされている。
    1. 「ALK遺伝子転座陽性例」の項目が新設され、本邦では十分なデータがないため現時点では1次治療ではプラチナ併用療法が推奨されるとしつつ、NCCNガイドライン2012では1次治療でクリゾチニブが推奨されていると記載した。
    2. CDDP+PEM 4コース後のPEMによる維持療法の有効性を示したPARAMOUNT試験(ASCO 2012)について新たに記載された。またエルロチニブによる維持療法にも言及されているが、プラセボ群のクロスオーバーの問題がある。
    3. E4599試験に基づいた非扁平上皮癌に対するCBDCA+PTX+bevacizumabのレジメンが独立して記載された。しかしその後のメタ解析(Lung cancer 2011)でプラチナ併用療法に対するbevacizumabの上乗せが奏効割合・PFSは良好であったがOSの延長が示せなかったことや本邦のJO19907試験の結果も合わせて記載され、「使用適応を慎重に検討する必要がある」と明記された。なおJO19907試験に関しては第5版でも言及されている。
  12. 非小細胞肺癌において「未承認であるが重要な薬剤」としてのセツキシマブの記載が削除された。
    1. 「高齢者に対する治療」では第6版では2012年ガイドラインから高齢者が75歳以上と定義されたことが記された(第5版では70歳を一応の線引きとしている)。治療レジメンはともにDTX、VNR、GEMが挙げられているが、確立された標準治療とはいえないことが明記されている。
  13. 胸膜中皮腫の「検診」で、石綿障害予防規則に定める検診対象者が石綿製造・取扱労働者などに加えて、2009年4月からは、その石綿に関する業務の周辺で労働に従事した者も対象に加えられたことが記載された(p.63)。
  14. 胸膜中皮腫の予後不良因子に、胸痛あり・胸膜浸潤あり、が加えられた。
  15. 胸膜中皮腫の治療として集学的治療(術前化学療法+胸膜全摘出手術+術後放射線療法)を化学療法単独に対して比較したMARS試験(Lancet Oncology 2011)において、集学的治療が化学療法単独に対して優越性を示せなかったことが記載された。

がん

  1. 「疫学」のリスクファクターに喫煙を追記。
  2. 「疫学」の「遺伝」にBRCA1/2の項目が加えられた。BRCAを踏まえた遺伝的リスクに基づくサーベイランスやPARP阻害剤などに言及されている。
  3. 「診断」の「スクリーニング」から「乳がんが疑われた場合の診断フローチャート」の図が削除された。
  4. 「病型分類・組織分類」のStagingにおいてUICC-TNMが第6版(2002)から第7版(2009)に改められた。変更点としてはT1 mi(微小浸潤0.1cm以下)の追記とN2がN2aとN2bに分けられた、Stage IがIAとIBに分けられたことなど。
  5. 「予後因子」の初発乳がん予後不良因子にKi67発現が高い、腫瘍周辺に後半な脈管浸潤があること、が追記された。
  6. 「治療効果予測因子」のHER2過剰発現にトラスツズマブに加えてラパチニブが追記された。
  7. 「乳がんのサブタイプ分類」の項目が新設され、luminal A/B/CやHER2、basal、normalなどについての記載が加えられた。
  8. 「治療」の「手術療法」内の腋窩郭清について、センチネルリンパ節転移個数が1個ないし2個陽性の症例でさえ乳房温存と放射線療法のみで予後への影響は認められず腋窩郭清が省略可能であるとする報告(JAMA 2011)の記載が追記された。
  9. 「術後療法」においてSt. Gallen 2011の内容が追記された。
  10. 「術後療法」内の「術後化学療法」において、術後放射線などの有益性に関する報告(Lancet 2011)が追記された。
  11. がん「初期治療後のフォローアップ」の婦人科的診察は「定期的な内診を行う」が「定期的な婦人科検診を進めるだけの科学的根拠は十分とは言えず、基本的には勧められない」と改められた。
  12. 「転移再発乳がんに対する治療」で1st lineホルモン療法の閉経後にアロマターゼ阻害薬が「アロマターゼ阻害薬またはフルベストラント(フェソロデックス)+アロマターゼ阻害薬」と改められた。2nd lineホルモン療法にもフルベストラント(フェソロデックス)が選択肢の1つに加えられた。
  13. 「転移再発乳がんに対する治療」で化学療法にエリブリン(ハラヴェン)、GEM、GEM+PTX、ナブパクリタキセル(アブラキサン)、トラスツズマブ+CBDCA+タキサン、ラパチニブ(タイケルブ)、ラパチニブ+カペシタビン、ラパチニブ+トラスツズマブ(本邦では保険適用外)が記載された。または今後期待される新薬として、T-DM1、ペルツヅマブ、エベロリムスが挙げられた。複雑化したこれらの内容を補完するために「乳がんのサブタイプと分子標的薬導入」という表が記載された。この中でBRCA変異ありのbasal-like乳がんに対して白金製剤+PARP阻害剤が候補として挙げられた(本邦未承認)。
  14. 溶骨性骨転移を要する症例に対するビスホスホネート製剤の記載からアレディアが削除されゾメタのみが残ったのと同時に、抗RANKL抗体としてデノスマブ(ランマーク)が記載された(JCO 2010)。

頭頸部がん

  1. 「診断」の内視鏡にNBIが追記された。
  2. 「Staging」のUICC-TNMが第6版(2002)から第7版(2009)に改められた。
  3. 「予後因子」に亜部位が加えられた。
  4. 「化学放射線同時併用療法」において「わが国ではFP(5FU+CDDP)療法と放射線療法の併用が臨床の現場では汎用されているが、現時点ではCDDP単剤との併用を上回るデータはなく、少なくともCDDPを含むレジメンを使用すべきである」との記載が削除された一方で、CDDP+5FU+RTの記載も削除されCDDP+RTの記載のみが残された。
  5. 化学放射線療法に先立って導入化学療法を行うことを検討したPARADIGM試験・DeCIDE試験(ASCO 2012)が言及された。それによると、導入化学療法の有効性は否定された。
  6. 治療前の胃瘻造設の推奨は特にかわりなし。
  7. 「化学療法」ではEXTREME試験(NEJM 2008)の結果を受けて2012年12月に認可されたセツキシマブがFPとの併用で記載され、PTX単独療法も記載された。これによりFP(5FU 1000mg/m2とCDDP 100mg/m2)+セツキシマブとDTXとPTXが併記されることになった。ただし「FP+セツキシマブは臨床試験で全身状態が良好な患者を対象に行われており、慎重な患者選択、適切な減量が必要」と注意喚起も明記された。
  8. 「新規薬剤による今後の治療動向」の項目で、FP療法に対するパニツムマブの上乗せ効果を検証したSPECTRUM試験について言及され、OS延長効果を示せなかったと記載された。
  9. 「その他のトピックス」として、口腔および中咽頭がんに関してHPVの関与があることが記載された。これによると、HPV陽性群は予後良好であり、予後予測因子になりえる。

食道がん

  1. 「リスクファクター」の記載が簡略化。確立されたものとしては喫煙と飲酒のみが記載された。
  2. 「診断」の「画像診断」に内視鏡のNBIが追記された。
  3. 「Staging」のUICC-TNMが第6版から第7版に改められた。癌取扱い規約とUICC-TNM第7版はほぼ統合されている。
  4. 「予後因子」から体重減少などが省かれ、組織学的悪性度などが加えられた。
  5. 「治療」の「内視鏡治療」でESDに関する記載が増えた。食道癌診断治療ガイドライン2012にもとづいてESDの絶対的適応・相対的適応について記載されている。
  6. 「治療」の「外科手術」で鏡視下手術について言及しつつも、根拠となるエビデンスは十分ではないと記載された。
  7. 「治療」の「化学療法単独」にFPとDTXに加えてweekly PTX(100mg/m2)が追記された。

がん

  1. がんの記載自体が大幅に減少し、計6ページに圧縮されている。
  2. 「診断」の「検診方法と意義」に、上部消化管内視鏡の検診での胃がん死亡率減少効果は明らかでにないと明記された。胃X線造影検査は死亡率減少効果が報告されている。
  3. 「組織型分類」の特殊型に以下のものが追記された。内分泌細胞癌、リンパ球浸潤癌、肝様腺癌、未分化癌。
  4. 「Staging」がUICC-TNM 第6版から胃癌取扱い規約第14版へ改められた。なお胃癌取扱い規約第14版はUICC-TNM第7版と統一されている。
  5. 「治療」の内視鏡治療と外科的治療は大幅に簡略化された。EMRやESDの解説、外科的治療のD1郭清術とD2郭清術の違い、腹腔鏡下手術に関する言及はほぼ消滅した。その代わりに「胃癌治療ガイドラインにもとづくStage分類別の治療」と題したフローチャートが掲載された。
  6. 「治療」の「化学療法」に関しては特に変更なし。

以下、更新途中。


最終更新:2017-09-10 (日) 12:23:15 (92d)